遺言書に書いておきたい【遺言執行者】とは?
遺言書を作成することで、あなたの想いを相続に反映させることができます。
しかし、遺言書を作成するだけでは、必ずしもあなたの希望通りに相続が進むとは限りません。
円滑な相続を実現するためには、遺言執行者の存在が非常に重要になります。
この記事では、遺言がある場合の相続手続きにおける遺言執行者の役割、必要性、権限、義務について詳しく解説します。
遺言執行者とは?その役割と必要性
遺言執行者とは、遺言書の内容を実現させるために、故人に代わって様々な手続きを行う代理人のような存在です。
遺言で指定されたとおりに遺産を相続人に分配したり、財産の管理・処分、名義変更など、煩雑な手続きを代行してくれます。
遺言執行者がいれば、相続人同士の争いを防ぎ、スムーズな遺産分割が期待できます。
相続人が複数人いる場合や、複雑な財産がある場合などは特に有効です。
また、遺言執行者は故人の遺志を最大限に尊重し、遺言内容を実現する責任を負いますので、あなたの想いが確実に実現されるよう尽力してくれます。
相続人は、遺産分割協議や各種手続きに追われることなく、遺言執行者に任せることで負担を軽減できます。
専門家が遺言執行者に就任すれば、専門的な知識と経験に基づいた確実な手続きが期待できます。
遺言執行者の権限と義務
遺言執行者には、遺言の内容を実現するために必要な様々な権限が与えられています。
遺産の調査・管理、遺産の処分、相続人への通知、故人の債務の弁済、遺産分割、そして不動産などの名義変更手続き(相続登記)など、多岐にわたります。
遺言で認知が定められている場合は、その届出を行う権限も持ちます。
一方で、遺言執行者には、故人の意思を尊重し、誠実に職務を遂行する忠実義務、善良な管理者の注意をもって職務を遂行する善管注意義務、相続人に対して定期的に業務の状況を報告する報告義務といった責任も課せられています。
遺贈・認知・相続廃除を遺言に含める場合の注意点
遺言で遺贈、特に不動産の遺贈を行う場合、遺言執行者の存在が非常に重要になります。
遺言執行者がいない場合、不動産の所有権を遺贈された受遺者は、相続人の協力なしに相続登記を行うことができません。
相続人と受遺者の間で協力関係が築けない場合、手続きが滞ってしまう可能性があります。
遺言執行者がいれば、相続人の協力が得られなくても単独で登記手続きを進めることができるため、スムーズな遺贈の実現につながります。
遺言で認知や相続廃除を行う場合は、必ず遺言執行者を指定するようにしましょう。
遺言執行者がいないと、認知や相続廃除の手続きを行うために、相続人や利害関係人が家庭裁判所に申し立てを行う必要が生じます。
これは時間と費用がかかるだけでなく、関係者間の感情的な対立を招き、紛争に発展するリスクも高まります。
遺言執行者を指定しておけば、このような事態を避けることができ、故人の意思をスムーズかつ確実に実現することができます。
遺言執行者に関するご相談は専門家へ
遺言執行者についてご不明な点があれば、弁護士、司法書士、行政書士など専門家にご相談ください。
専門家は、遺言作成から執行まで、スムーズな相続をサポートいたします。
佳日行政書士事務所へのご相談もお待ちしております!