任意後見契約後の心配をカバーするには?【見守り契約】

任意後見契約を結んだので、認知症になっても安心。本当にそうでしょうか。
任意後見契約は認知症が発症し、医師の診断とともに家庭裁判所へ申し立てをし、任意後見監督人が選任されてから任意後見契約の効力が生じます。では、その間の期間はどうしたらいいのでしょうか。

任意後見契約→認知能力の低下→家庭裁判所へ申し立て→任意後見の開始→安心 この期間は大丈夫?


任意後見契約後は「見守り契約」を

任意後見契約を結んだだけでは、何の効力もありません。
任意後見を開始するためにはまず認知能力の低下を医師が診断することが必要ですが、低下したことを自分で認識し医師の診断を受けることは難しいのではないでしょうか。
家族と一緒に住んでいたり近くに家族や親類が住んでいる場合は、家族や親類が気付いてくれるでしょう。
しかし、頼りになる人が近くにいない場合はどうしたらいいのでしょうか。
そんな時に「見守り契約」を結んでおくと安心です。
「見守り契約」とは、任意後見が始まるまでの間に、支援する人(受任者)が定期的に本人(委任者)の健康状態や生活状況を確認することによって、任意後見をスタートさせる時期を判断するための契約です。

見守り契約でできること

定期的に連絡をとり、面談をする

月に数回など契約で決めた頻度で、受任者が本人に電話連絡を行ったり、あるいは本人のお宅を訪問して、本人の健康状況や生活状況を確認します。
ご本人にとっては、日常の生活から生じる不安ごと等を、いつでも相談できる環境を作っておくことができます。
本人の状態を定期的に見守る「見守り契約」を利用することで、定期的に会ったり、連絡をとりあったりしますので、判断能力が十分あるうちから信頼関係を築くことができ、本人の変化にいち早く気づきます。
判断能力の低下などが見られた場合には、成年後見制度のスタートの時期を見極めてもらえ、適切な移行の時期を判断することができます。
いつでも相談できる環境にありますので、悪質な訪問販売などの被害にあう前に相談に乗れますし、被害にあったとしても適切にクーリングオフなどの対応をとることができ、ご本人を守ることができます。

見守り契約でできないこと

身の回りの世話

身の回りの世話をすることは、見守り契約の目的ではありません。
あくまでも、「見守りをすること」が目的です。
本来の目的以外のことでトラブルになることを防ぐためにも、買い物や掃除などは頼めないとしておきましょう。
日常生活において支援が必要な場合は、地域の包括支援センターに相談して公的の介護保険を活用することを検討してみてもよいでしょう。

まとめ

任意後見契約にプラスして「見守り契約」を結んでおくと安心なことがおわかりいただけたでしょうか。
他にも「財産管理委任契約」や「死後事務委任契約」などを結んでおくと安心です。
認知症になってからでは、どの契約も結ぶことはできません。意思能力があるうちに契約しておきましょう。
公証役場で任意後見契約と同時に結んでおくことをおすすめします。
ご相談は、佳日行政書士事務所へどうぞ!

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